猫と暮らす家づくりを考えている人は、まずは猫の習性や好きなもの・嫌いなものを把握し、間取り決めに活かすことが重要です。今回は、猫と暮らす理想の注文住宅づくりで押さえておくべきポイントや実際の施工事例などを紹介します。猫を飼っている人で注文住宅購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
猫の好きなことと嫌いなこと
猫と快適に共に暮らすためには、猫の好きなものや嫌いなものを理解し、それに合わせた家づくりが欠かせません。ここでは、猫が好む要素と嫌う要素をそれぞれ紹介します。
猫の好きなこと
猫は高い場所や狭い場所で過ごすのが好きです。もともと猫は狩りをする動物であるため、遠くまで見渡して確認できる高い場所を好む傾向があります。また、狩りの獲物は狭い場所に隠していたことから、狭いスペースは落ち着ける安心スポットとして好まれやすいです。
猫のためのスペースをつくる際は、高い場所・狭い場所を意識しましょう。また、猫の体温は人間よりも高いため、人間が快適な温度は猫にとっては寒く感じるケースもあります。日向ぼっこを楽しめる場所など、暖かいスペースができるよう工夫するとよいでしょう。
猫の嫌いなこと
猫は基本的に清潔を好む性格であるため、自分の身体が汚れるのを嫌がるのはもちろん、身の回りの生活スペースやトイレが汚れているなどの不潔な状態であるとストレスを感じてしまいます。こまめな掃除でほこりや臭いに注意し、適度な湿度を保ちましょう。
さらに、去勢済みであってもマーキングする猫は多く、部屋が汚れてしまう可能性もあります。メンテナンス性が高く掃除しやすい床材・壁紙を選ぶほか、ほかの動物にも人間にも鑑賞されないスペースをつくってあげるのがおすすめです。
猫と快適に暮らせる間取りのポイント
猫と暮らす家を立てる場合、運動スペースを確保することや猫の習性を意識すること、危険な場所に立ち入らないため対策することの3つを心がけるのがポイントです。ここでは、猫と快適に暮らせる間取りのポイントについて詳しく解説します。
高い場所に登るための工夫を取り入れる
先述のとおり、猫は高い場所に登るのが好きです。キャットタワーや猫専用の階段をつくるなどして、運動不足におちいらないよう工夫しましょう。また吹き抜け部分に足場となるステップを設置するのもおすすめです。
お散歩スペースをつくる
リビングの壁に天井に続く足場をつくることで、室内でも運動量を確保でき、猫のストレス発散にもつながります。また、足場を透明素材のものにして、お散歩する猫の肉球やお腹を見て癒やされるのもおすすめです。
落ち着けるトイレを設置する
猫は清潔を好むため、トイレもきれいで静かな場所を用意しましょう。不潔な場所・騒音が気になる場所にトイレを設置していると、ストレスからトイレを失敗してしまう可能性もあります。一般的には、玄関や洗面所、リビングの収納などにトイレを設置するケースが多い傾向です。
リラックスできる日向ぼっこスペースをつくる
猫は暖かい日向ぼっこスペースがあるとリラックスして過ごせます。猫は睡眠時間が長いため、日向ぼっこスペースがあればリラックスしてお昼寝できるでしょう。
爪とぎ専用スペースを設置する
猫の習性でもある爪とぎに悩む人は少なくありませんが、お気に入りの爪とぎ専用スペースをつくればほかの場所で爪とぎをしなくなります。家や家具のキズを防ぐためにも、専用スペースを確保してあげるのがおすすめです。
食事専用スペースを設置する
猫は狩りをする動物であることから、少ない量の食事を複数回に分けて食べるのが基本です。フードの出し入れが苦にならない収納・食事専用スペースを設けるとよいでしょう。
ケガを防止するための仕切りドア・ペットドアを取り入れる
猫にとって危険が多いキッチンへの立ち入りを防ぐため、仕切りドアを取り入れましょう。また、カギ付きのペットドアを採用すれば、状況に合わせて猫の行き来を見守ることができます。
脱走防止対策をする
猫によっては家の外に興味をもち、ふとした瞬間に飛び出してしまう可能性もあります。外につながる玄関やベランダには、脱走対策として内ドアやペット用フェンスを設置しましょう。
猫と暮らす家の施工事例を紹介
ここでは、猫と暮らす家の施工事例を紹介します。以下は、猫が快適に過ごせるように設計された一部の要素を含んだ住宅の例です。
キャットタワーのある家
リビングルームや寝室など、猫が頻繁に過ごす場所に設置されるキャットタワーは、猫が自由に登ったり遊んだりできるスペースです。このタワーには、猫の好奇心をくすぐるプラットフォームや棚が付いており、猫がストレスを解消し、運動を楽しむことができます。
お散歩用の足場がある家
室内に設置された足場やプラットフォームは、猫が高いところから眺めたり、遊んだりできるスペースを提供します。これは、猫が自然な本能に従って高い場所に登りたがるという特性に基づいているのです。
日向ぼっこスペース
窓際やベランダなど、日光がたっぷり入る場所に、猫がのびのびと日向ぼっこできるスペースを設けましょう。猫は太陽の光を浴びることでリラックスし、健康的な生活を送ることができます。
小さなトンネル
小さなトンネルも猫の居心地をよくするためのアイデアのひとつです。家の中に設置される小さなトンネルは、猫が隠れたり休んだりするための安全な場所として活用されます。これは、猫が安心してくつろげる環境を提供するための取り組みです。
まとめ
今回は、猫との理想的な共生を考慮した注文住宅のポイントを解説しました。猫は本来狩りを好むため、高い場所や狭い場所を好む生き物です。また、清潔を好む性質ももっています。そのため、キャットタワーや足場を設け、清潔な生活環境を維持する工夫が必要です。
間取りを決める際には、猫がリラックスできる日向ぼっこスペースを設けるなどして、猫の健康と快適な生活をサポートする要素を取り入れましょう。